2018.08.07
PR MEMO

夏休みは新しいジャンルの雑誌に挑戦_メディアウォッチ_vol.5

池永 千鶴

 

こんにちは Story Design house広報の池永です。

 

PR担当にとってメディア理解は必須です。Story Design houseもtoBからtoCまで、メッセージと切り口にそって幅広いメディアにアプローチしています。この連載では月に1回、直近で発売されたビジネス誌からライフスタイル誌まで、広範囲をカバーし分析していきます。

 

今回ご紹介する『週刊エコノミスト』と『Pen』です。『週刊エコノミスト』(毎週月曜発売)は毎日新聞出版が出版している経済週刊誌で、グローバルな目線から、「今」を切り取ったテーマをより深く、且つ経済情報の視点で紹介しています。また、『Pen』(隔週発売)は、モノから人まで、多彩なテーマをデザイン性高く取り扱うライフスタイル誌です。これから夏休み、帰省という方も多いと思います。移動中新しい雑誌に挑戦してみるよい機会ではないでしょうか?

 

 

 

どんな媒体?

 

週刊エコノミスト』は1923年(大正12年)に創刊され、今年95周年を迎えた老舗の経済週刊誌は、「学理を論じて空疎に失せず、 現実に即して卑近に流れず」という編集方針の下、時流に流されない、そして現実を見据えた報道を掲げています。一般社団法人雑誌協会による発行部数(2016年10月1日~2017年9月30 )によると、70,000部で、その読者層は84.4%で圧倒的に男性読者が占めており、年齢層は、30代~60代です。また、経済・資産運用トピックが主なことから、いわゆる中間管理職世代以上の人に好んで読まれている傾向があります。もちろん、会社の意思決定権を持つ経営者層も12.5%占めており、マネージメントにおける情報源としても活用されています。

 

読者の特徴のひとつで、経済週刊誌という側面から、「資産運用への高い関心」が顕著であり、例えば「預金や投信の金利を気にするほうだ」とした読者が61.0%、そして「金融機関の商品やサービスの内容についていろいろ調べるほうだ」というアンケートも60.0%がYesを占めるなど、読者が積極的に投資・資産運用の情報リソースとしても『週刊エコノミスト』を活用している背景が読み取れます。毎号巻末には「THE MARKET」というコーナーがあり、投資、資産運用の参考になる情報を提供しており、1週間の経済トピックやマーケット指標、そしてデータなども掲載しています。

 

ところで『週刊エコノミスト』と聞くと、イギリスの週刊新聞*『エコノミスト』(The Economist)を思い浮かべる人も多いと思いますが、「週刊エコノミスト」とは一切関係なく、日本では、『エコノミスト』(The Economist)は読売新聞社が提携しており、一切関係は無いとのことです。

*『エコノミスト』(The Economist)は見た目雑誌の形態をしていますが、週刊新聞という列記とした新聞です

 

 

 

 

今回のテーマ

2018年7月23日 発売号

 「ダマされない不動産投資」

 

ハイライト

 

今回、冒頭の特集は「ダマされない不動産投資」、そして2つめの特集は「「おカネ」に強い子」を育てる」となっています。

 

まず、冒頭のメイン特集の構成をご紹介します。

 「ダマされない不動産投資」

①    昨今の時事問題を踏まえた不動産投資の背景

②    人口減少問題をベースとした、現場の人手不足問題にも言及

③    J-REITを中心とした不動産投資信託、及び投資新商品の傾向について

 

 

その中でも本誌特集では、日本のハイペースな人口減少(25年に20~49歳の首都圏の人口は12%の減少)による、不動産の新規需要の減少と共に必ず起こる家賃の大きな下落は、決して止まることのないこの人口減少を背景に、不動産投資の運用見直しと、危機管理を思い立った人も少なくないでしょう。

 

 

なぜ今このテーマなのか?

 

ちょうどシェアハウス「かぼちゃの馬車」に代表される、スルガ銀行の不正融資問題など、不動産投資に関連したトラブルが大々的に取り上げられた時流が重なったことが、冒頭の特集で取り上げられた最も大きな理由ではないでしょうか。また、7月17日にオリンピックに向けた会場5箇所がメディアに公式に公開されたタイミングもあり、一斉に報道されたことから、オリンピック後の施設活用の話題をはじめ、不動産投資の下落予想など、TVを中心としたメディアも活発に取り上げた背景もその理由のひとつでしょう。

 

その中でも特に興味深かったのは「サブリース2025年問題」とし、都市部の人口減少が大きな家賃下落の影響を与える問題です。2020年のオリンピックにむけ、「オリンピック特需」として株価の値上がり、インフラ整備による雇用創出、不動産投資などが話題に上っていたのは束の間、オリンピックが近づくにつれ、現在もっぱらの話題は、オリンピック後の施設活用・維持費、人口減少による需要と供給のバランスの崩れなど、ネガティブな議論が増えてきたように思います。

 

2つ目の特集「「おカネ」に強い子」を育てる」というテーマでは、こども向けマネー教室が活況である状況や重要性を伝え、休暇期間中に利用できる子供向けの金融リテラシーを高める活動や、イベントを具体的に団体、企業毎に一覧で紹介しています。この特集を機に、お子さんの夏休みの課外授業のひとつとして通わせる親御さんも多いのではないでしょうか?

 

 

 

 

Pen

 

 

 

 

どんな媒体?

 

Pen』は1998年に創刊され、今年は創刊20周年を迎えたアニバーサリーイヤーです。皆さんは『Pen』と聞くと、とっさにどのようなイメージが頭に浮かびますか? 20代後半以上の男性なら一度は書店で手に取ったことがあるのではないでしょうか?デザイン性あふれた写真と、洗練された構成に「美術学校の読者が多い(男女ともに)」と言われるほど、その写真のクオリティの高さに皆さん毎号驚かれていると思います。しかもこのボリュームで隔週発売です。

 

そして実は知らない方も多いと思いますが、表紙『Pen』の下に「with new Attitude」というコピーが添えられています。その意図は「「新しい視点」を持って、男たちの美意識、想像力を刺激する」ことが編集コンセプトとなっているそうです。

そんな上質な大人の男性創刊された1998年(平成10年)、皆さんはどのような時代だったか覚えていますか?

 

<1998年の出来事>

・Windows98発売

・iMacの発売

・映画「タイタニック」のヒット

・ヒット曲 1位「誘惑」(GLAY)

・流行語「キレる」

 

 

98年の出来事を見ると分かるように、デジタルデバイスが急速に普及し始めた時代背景の中、創刊された『Pen』。「デジタル化の中で人間のココロがもつクリエイティブな精神、人の手による温かみを大切にしていきたい」という想いは2018年の今もブレることなく貫かれています。

その読者層の年齢は、35歳~39歳の男性が71.9%を占めていますが、意外にも女性読者が30%近くいます。職業の構成では圧倒的に会社員が57%である一方で、他自由業(著述、写真家、デザイナーなど)が6.3%占めている点も、『Pen』らしさを現わしています。

『Pen』も時代の流れに合わせ派生メディアも充実しており、『ペン・プラス』では、一冊まるごと特集の別冊版や、『ペン・オンライン』では特集他、毎日更新する「News」や「Blog」などで読者のライフスタイルに合わせ、本紙と同様に深堀りしたコンテンツを届けている点が長年にわたる根強いファンの獲得につながっています。

 

 

今回のテーマ

2018年7月17日 発売号

「古くあるほど愛おしくなるモノ 一流品の条件。」

 

ハイライト

 

流行に左右されない一流品と呼ばれるものを、時計、テーブルウェア、そして家具まで、身の周りに置いておきたい一品をそのカテゴリー毎に紹介しています。特集の中でも大変興味深かったのは、各業界で活躍するフォトグラファーや、スタイリストなど、審美眼と独自のライフスタイルを持っている方の「一流品」の紹介ページです。特にエッセイスト&バーマンの島地勝彦氏 (週間プレイボーイ、PLAYBOY日本版の編集長で、数々の名企画を立ち上げた経歴の持ち主)の、グローブ・トロッターのトランクの特注品は圧巻です。その真っ青なブルーの配色と、レザーの部分の味わいが、素人の目にも持ち主の想いが伝わる「作品」と言っても過言でないストーリーが写真を通して伝わってきます。

 

 

 

なぜ今このテーマなのか?

モノ、家電、ファッション、人、そしてムーブメント(食・アートも含め)、を中心にデザイン性高く特集が組まれることが多い『Pen』ですが、過去3年間を遡り、上半期、下半期に必ず1度はモノに特化した特集を組んでいます。

 

<例>

2017年 12月1日号 腕時計100の物語

2017年 7月1日号 男の名品図鑑

2016年 12月1日号 「最初」と「最後」の腕時計はどれだ!?

 

時期的にも夏のボーナスが出たころでもり、自身への課した目標達成のご褒美や、ステータスアップの為一流品を毎年購入する人もいるでしょう。『Pen』は読者の知りたい!という「知識欲」と、欲しい!という「所有欲」、そして認められたいという読者の気持ち、特に男性のモチベーションと好奇心を満たす雑誌なのかもしれません。 

 

池永 千鶴

化粧品メーカー等の商品企画を経て入社。主にB2Cのプロジェクトを担当。ブランド、商品、サービスの情報を広く認知させることだけでなく、「そのブランドのファン、企業のファン」となってもらうべく、市場参入時を含め、長期に渡る継続的成長を促す戦略構築を行う。