2018.05.24
PR MEMO

ニューテクノロジーと親子の絆の融合(感動)_海外PR事例vol.8

池永 千鶴

「保険のCM」と聞くと皆さんは何を思い浮かべるでしょうか? がん・医療保険だと少しシリアスなトーンのものを思い浮かべる方も多いでしょう。最近の新しい収入保障型や健康増進型は、商品内容を反映し、シリアスな中にもコミカルなものやポジティブなものが多いですね。TVでCMとして放映されるバージョンは時間の制限があるため、皆さんは30秒程度のモノを目にすることが多いと思います。しかし、動画マーケティングも主流となった今、CMよりやや長いバージョンもつくられ、公式サイトで公開されていることが多く、その動画は視聴者のサイトへのアクセスの入り口にもなっています。

 

そもそも保険会社が動画マーケティングに乗り出した背景として、若者の保険離れ、そしてネット利用時間も引き続き増加傾向にあることが要因のひとつとなっています。(29年度総務省調べ主なメディアの利用時間と行為者率

 この傾向は海外でも顕著ですが、今、第3次韓流ブームで湧く日本のお隣の国、韓国の生命保険会社の動画プロジェクトをご紹介します。

 

 

■AIA Life Koreaの動画プロジェクト概要

タイトル: AIA Life Korea’s "Miracle Voice Restoration Project" 

クライアント: AIA Life Korea

PRエージェンシー:The Creamunion 

 国:大韓民国

 

 

 ■ストーリー

3人のお子さんを持つEunjeeさんは、聴覚障害があるため話すことも難しい状態です。彼女は他のお母さんと同じように子供と話をし、本を読んであげたりと、あたりまえのことができないことをとても申し訳なく思っています。 彼女は思います「もし私が話すことができるのならば、娘の為に歌ってあげたい。誕生日ソングを歌ってあげたい」と。 

 AIA Life Koreaはサウンドエンジニアと音声の専門家を集め「Miracle Voice Restoration Project (声をとり戻す奇跡のプロジェクト)」をスタートさせました。まず一般の人からスマホの音声録音機能などを使用し、音声の募集を行いました。その結果、10,000件以上の声が善意により集まりました。これらがEunjeeさんの声のベースとなります。そして聴覚障害者自らの手話の動きに合わせてリアルタイムで音声を発することができる特別なオーディオデバイスを開発。Eunjeeさんは1カ月間かけて、自身の手話でそのオーディオデバイスをスムーズに動かすための練習を重ねました。

 

娘さんの11歳の誕生日の日、彼女は歌うことができたのでしょうか?

 

動画はこちらから

 

 

■背景

AIA Life Koreaは、韓国版「American Idol」のスポンサーをしており、「奇跡は起きつづける」をスローガンに、オーディション参加者の動画制作をサポートしてきました。その中で、テレビを視聴する一般の人にも音楽を通してこのような奇跡をプレゼントできないだろうか?というアイディアをベースにこの動画プロジェクトはスタートしました。Ameircan Idolはアメリカのオーディション番組で2002年~2016年まで放映され、計48カ国で制作された2000年代を代表する大人気リアリティショーです。視聴者参加型の番組で、歌のうまさや、その個性で競います

 

 

■最後に

この動画プロジェクトは、YoutubeとFacebookのみ、2ヶ月たらずで1260万ユニークビューを記録しました。動画では昨年、飲料メーカーやオムツメーカーのCM動画が炎上し話題となり、様々な配慮をしつつも視聴者の反応は予測不可能であるということを皆さん感じたのではないでしょうか? しかし動画は感情に直接訴求できる方法であり、ブランドと視聴者との関係性を構築します。また、本プロジェクトのように新しいテクノロジーと、普遍的要素である親子の絆を融合させ、消費者に伝えることができたことが多くの視聴者の心に響いた要因のひとつかもしれません。 

 

 

 

 

池永 千鶴

化粧品メーカー等の商品企画を経て入社。主にB2Cのプロジェクトを担当。ブランド、商品、サービスの情報を広く認知させることだけでなく、「そのブランドのファン、企業のファン」となってもらうべく、市場参入時を含め、長期に渡る継続的成長を促す戦略構築を行う。